形成外科は、機能回復とQOLの向上を目的として、身体外表に現れた欠損、変形、醜状などに対して、より形態的改善を重要視して治療する外科です。一方、 整形外科は筋肉や骨の障害に対して、より機能的改善を重要視して治療する外科です。美容(形成)外科は、形成外科の中に含まれますが、一部で美容整形とい う名称が使われています。 我が国では、形成外科が学問として発足する前から、一部の開業医が美容に関する手術を、美しく形を整えるという意味から、美容整形という名称を掲げて営 業していました。美容整形という用語は、その名残りです。今では美容(形成)外科という名称が一般的に用いられています。 形成外科は、頭から足の先まで身体全体の部位を対象とし、その部位の皮膚、筋肉、骨などを取り扱います。一方、整形外科は、身体の首から下の部位を対象 とし、その部位の筋肉、神経、腱、骨、関節などを取り扱います。頭の骨は脳外科や形成外科が、顔の骨は形成外科が取り扱います。
(日本形成外科学会HPより引用)
主な担当疾患
- (1)熱傷
- 熱傷後の瘢痕拘縮
- (2)顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷
- 顔面外傷
顔面骨骨折 - (3)唇裂・口蓋裂
- 口唇裂等の頭頚部先天異常
- (4)手、足の先天異常、外傷
- (5)その他の先天異常(小耳症、先天性眼瞼下垂など)
- 小耳症等耳の形態異常
筋性斜頚
臍ヘルニア - (6)母斑、血管腫、良性腫瘍
- (7)悪性腫瘍およびそれに関連する再建(マイクロサージャリー)
- 乳癌術後の乳房再建
腫瘍再建外科手術 - (8)瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド
- 熱傷後の瘢痕拘縮
手術後、外傷後瘢痕 - (9)褥瘡、難治性潰瘍
- ケロイド
難治性潰瘍 - (10)美容外科
- (11)その他(乳房再建、顔面神経麻痺など)
- 眼瞼下垂
顔面神経麻痺
特殊な治療方法
- 遊離組織移植
- 生まれつきの、または怪我や癌などで変形したり失われた体の表面や骨の異常を、ご自分の体の他の部位の皮膚、筋肉、骨といった組織を顕微鏡を用いて血管を吻合して移植することで、生きた組織で機能の回復と形態も正常に近い状態に再建する方法です。
- 血管外膜切除
- レイノー症候群など特に手指の血管が神経の影響を受けて血のめぐりが悪くなる病気の方に対して、掌と手首の部分の動脈の外膜を剥くことで、神経の影響を取除いて、手指の血流を増やす治療法です。